2018年2月10日土曜日

肉吸い

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コンビニでおにぎりと肉吸いを買う。いつもはおにぎりと味噌汁だが、今日は肉吸いを買ってみた。

肉吸いは大阪の食べ物だ。全国的にはほとんど知名度がないし、大阪でもそんなにメジャーな食べ物ではない。Wikipediaにはこうある。
簡単に言えば、肉うどんからうどんを抜いたもの。
「カツ丼、カツ抜きで」というくだらない冗談みたいな食べ物、それが肉吸いだ。これぞC級グルメ。

行儀悪いけど肉吸いにおにぎりを浸して食べようと、あえて具なしおにぎりを買った。


昼休み。さあ食べようと思って、しくじったことに気がついた。

この肉吸い、お湯を入れて作るタイプではなく電子レンジで温めて作るやつだ。うちの職場にはポットはあるがレンジはない。

さあどうしよう。隣の会社に押しかけていって「すみません、肉吸い買ったんですけどレンジがなくて。電子レンジお借りできないですか」って言ってみようかな。

 「肉吸いってなんですか」

「知りませんか。大阪ローカルの食べ物で、肉うどんからうどんを抜いたものです」

 「知らないですね」

「そういえば"肉吸い"っていう妖怪もいるみたいですよ。人間に食らいついて肉を吸う化け物。タガメみたいな妖怪ですよね。タガメって知ってます? 田んぼにいる昆虫。タガメって魚やオタマジャクシをつかまえて、体内に消化液を送りこんでどろどろに溶かした肉を吸うらしいですよ。えへへ」

 「うち、電子レンジないんですよ」


しょうがないからゼリー状になった肉吸いに、お湯を注いでみる。

うん、ぬるい。

やはり電子レンジじゃないとダメだな、と思いながらタガメのようにずるずると肉吸いをすすった。


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