2017年7月28日金曜日

読みかけの本を抱えて死ぬ

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ぼくは常に5~6冊「読みかけの本」を抱えている。
今読みかけている本は以下の6冊だ。
  • 星 新一『殿さまの日』(時代小説)
  • 読売新聞 政治部『基礎からわかる選挙制度改革』(ノンフィクション)
  • ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』(SF小説)
  • NHKスペシャル取材班『僕は少年ゲリラ兵だった』(ノンフィクション)
  • 伊沢 正名『くう・ねる・のぐそ』(エッセイ)
  • 佐藤 義典『図解 実戦マーケティング戦略』(ビジネス)
ジャンルもテーマも書かれた時代もバラバラだ。
まだ読み終わっていない本があるのに他の本にも手を出すのだ。


寝る前に読む本


寝る前はKindleで電子書籍を読む。
なぜならKindleなら灯りを消したままでも読めるし、Kindleはブルーライトを発しないらしいからその後スムーズに睡眠につなげられる。さらにメモをとりたいときでも、端末にそのまま記録できるからメモ帳や携帯電話を取りだす必要がない。寝る前の読書に適している。
電子書籍リーダーは、紙の本以上に雨に弱いとか、充電が切れたら読めないとか、通信環境がないと書籍の購入ができないとかいくつか弱点があるけど、枕元で読む分にはそういった心配はすべて無縁だ。
Kindleは寝る前の読書でこそ最大のパフォーマンスを発揮すると思う。

ぼくのKindleには、読みかけの本が常に2冊入っている。そのときの気分で読みたいほうを読む。

通勤時に読む本


ぼくは電車通勤で、電車に乗っている時間は片道約20分。これは本を読むには長すぎず短すぎずちょうどいい。
電車では立って吊り革につかまって読むことが多いので、片手で持ちやすい文庫か新書を読む。
電子書籍で買った本が溜まってきたらKindleで読むこともあるが、誰かの足の上に落してしまったら怒られるだろうなとか、電車とホームの隙間に落としてしまったら大損害だなとかいろいろ心配してしまう。
やはり文庫か新書がいい。電車内は他にやれることがなくて集中できるので、難しめの内容でも頭に入ってきやすい。ノンフィクションをよく読む。

自宅ですき間時間に読む本


ぼくは寝る前を除き、まとまった「読書の時間」というものをほとんど持っていない。
家にいる間はたいがい何かをしながら本を読む。着替えながら読んだり、テレビの音だけ聞きながら読んだり、子どもと遊びながら読んだりしている。
リラックスしているし、他のことをやりながら読むので難しい内容は頭に入ってきにくい。だからこういうときは小説やエッセイを読むことが多い。

汚れてもいい本


先述したように、ながら読みをすることが多い。今は娘とお風呂に入ることが多いが、ひとりで入浴するときは湯船で本を読む。ひとりで食事をするときも、行儀が悪いけど本を広げながらめしを食う。
外食時では、なんとなく店の人に悪い気がしてカウンター席や混雑しているときは遠慮するけど、そうでなければ本を読みながら食べることも多い。そのために「本を読みながら食べやすいもの」という基準で料理を注文する。両手を使わないといけないものや汁が飛びやすいものは避ける。
また、休みの日は娘と公園に出かけるので、屋外で本を読むことも多い。

風呂や食卓や公園で読むと、本は汚れたり傷んだりしやすい。
図書館で借りた本はもちろん、ハードカバーの本もなんとなく汚すのは気が引けるので、外出先や風呂で読む本は文庫や新書が多い。

職場で読む本


仕事中、作業に疲れたときにぱらぱらと読む。さすがに仕事と関係のない本は読まない。


なぜ同時に読むのか


なぜこんな読み方になったのか。
べつに意識してやっているわけではない。数多くの本を読んでいるうちに、自然にこうなった。昔は1冊読みおわるまでは別の本にかからなかったけど、2冊になり3冊になり、いつの間にか5~6冊になっていた。
このやりかたがいちばん量をこなせるからだ。

まず、同じ本ばかり読んでいると飽きる。
「ページをめくる手が止まらなくて一気に最後まで読みました!」みたいな感想がよくあるが、そんな本は50冊に1冊あるかどうかだ。

本を読むのが苦手な人は、1冊だけを一生懸命読もうとするから読めなくなる。
いい本でも読むのが嫌になる瞬間はある。今の心境とあわない、というときもある。後半からおもしろくなるけど前半は退屈な小説も多い。
そんなとき、無理をして読むのはよくない。かといって投げだしてしまうのももったいない。いい方法は「寝かせておく」だ。
何冊か同時に読んでいるとそれができる。「本は読みたいけど今はこの本の心境じゃない」というときには、他の本に逃げるのが正解だ。

ぼくのKindleには常時2冊の未読本が入っていると書いたが、重めの小説と軽めのエッセイ、サイエンス系のノンフィクションと本格派でないミステリ小説、など「読むのにパワーがいる本」と「あまりパワーを要しない本」がセットで入っていることが多い。意識しているわけではなく、自然とそうなるのだ。


同時に読むことの効用


複数冊の本を並行的に読んでいると、当然ながら1冊を読み切るまでに要する時間は長くなる。常に頭のなかに本が溜まっているような状態だ。
そうすると、ときどき本と本がつながる瞬間が訪れる。「これは別の本に書いてあったことと似た考えだ」と気づく。
また本以外から得た情報とつながることもある。人から聞いた話が本の内容と関連していることを見つけたりする。
こういう発見は誰でもあると思うが、頭の中を本で埋めているその容積が大きいほど、その機会は増える。

……と書いたが、これは後付けの理由だ。
何冊も読んでいたら本が別の情報と有機的につながりやすいということに気付いただけで、狙ってはじめたわけではない。

読書にとって重要なのは「読んでいる時間」だけではない。「読みかけている時間」から得られるものも多い。ぼくが速読をしないのはそれが理由だ(うそ。やろうとして挫折しただけ)。


同時に読む人はけっこういる


成毛眞さんの『本は10冊同時に読め!』という本がある。
成毛さんというのはHONZという書評サイトを運営している読書家だ。

ぼくはこの本を読んだことがない。たぶんこの先も読むことがない。
なぜなら、たぶん同じような読み方をしているんだろうな、と思うからだ。もう実践してるからぼくには必要ない(もしぜんぜん違ったらごめん)。


同時に読む方法は、ある程度の量をこなすためにはいい方法だと思う。
だけどデメリットもある。

ついつい本を買いすぎてしまうこと。
家の中が本だらけになること。
気づくと何カ月も鞄に本が入っていてぼろぼろになっていること。

万人にはおすすめしないけど、「もっと本を読みたいけど読めない」という人はやってみてもいいんじゃないでしょうか。



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