2016年4月7日木曜日

【エッセイ】レーシック手術のにおい

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何年か前にレーシック手術をした。
無事に成功して、メガネなしではトイレにも行けなかったぼくが、今では裸眼で生活している。


メガネやコンタクトレンズから解放されると、ちょっとしたことがすごくありがたい。

メガネはほんと不便だ。
小雨で傘がないときに、メガネが濡れるのを防ぐためにうつむいて歩かなきゃいけない。
寒い日に暖房の利いた屋内に入ると曇って何も見えなくなる。
メガネが曇るからマスクがつけられない。花粉症なのに。
コンタクトレンズは眼がかゆいし。
美容師から「これぐらいでどうでしょう?」と聞かれても鏡に写った自分がまったく見えないから適当にうなずくしかない。

ほんと不便。

しかし、今挙げたことはどれも些細な問題だ。
ぼくが視力が悪いことでいちばん不便を感じたのは、せっかくプールに行っても水着の女性がまったく見えないということだった。


しかしそんな悲劇からは、レーシック手術によって解放された。
今は裸眼で車の運転もできるし、もちろんプールでもばっちりよく見える。

手術代として十数万円かかったが、手術をしてほんとうに良かったと思う。

でも。
ぼくは、他人に「レーシック手術いいよ」と勧めたことは一度もない。
自分がやって良かったが、人にはおすすめしない。

なぜなら。
手術のとき、レーザーで眼球を焼くから。
自分の眼球が焼けるこげくさいにおいを嗅ぐことになるから。
焼けた眼球に目薬をさしたときに、熱々のフライパンに水を落としたときと同じ「ジュワッ!」という音を己の瞳から聞くことになるから。

あれはほんと怖かった。
ほんとあれでぼくの寿命が5年は縮んだと思うから、他人には勧めない。

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