2017年5月30日火曜日

プロ野球選手ははらわた煮えくり返ってるんじゃないのかな

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ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』にこんな一節があった。

「わが社に来て何年だね」と、幹部は若い社員に尋ねたそうだ。
「三年になります。大学を出てすぐ入社しました」
「では入社したとき、三年後の年俸はどのくらいだと考えていたのかね?」
「一〇万ドルは欲しいと思っていました」
 幹部は社員の顔をまじまじとながめた。
「だが、きみのいまの年俸は三〇万ドル近いじゃないか。それで何が不服なのかね」
「ええ、ただ……」若い社員は口ごもった。「デスクが近い同僚ふたりが、働きぶりはぼくとたいして変わらないのに、三一万ドルもらっているんです」

ああ、わかる……。


給料の高い/安いって、身近な人との比較なんだよね。

もちろん食うに困るほどだったら「絶対的に安い」なんだけど、そうじゃなかったらあとは相対的な問題。


ぼくは今「年収1000万円もらえたらいいなー」と思ってるけど、"年収1000万円もらえるけど同じ仕事をしている同僚全員が1500万円もらっている" 会社にいたら、きっとすぐ不満を感じてやめたくなると思う。
「なんであいつのほうが高い給料もらってるんだ」って。


その不満って、会社でいちばん高い給料をもらわないかぎりはなくなることはない。
身近な人の給料なんて知らないほうがいい。


そういう点でプロ野球選手ってきついだろうなと思う。
だって他の選手の年俸が丸わかりだもん。
「なんであんな守備のへたなやつが俺よりもらってるんだ」
「先発投手なんか週1しか投げないのに中継ぎの俺より多いのは納得いかない」
とかぜったいに思ってる。

特に「ケガでまったく出場していないけど自分より高額な年俸の選手」が身近にいたら、もうはらわた煮えくり返ってしかたないだろうね。


その点、個人種目はわかりやすい。
ゴルフとか競輪とかだと「賞金獲得額」は公表されるけど、賞金は「多く勝ったから多くもらえる」だけなので単純明快だ。
「なんでおれのほうが低いんだよ……」という不満の入り込む余地がない。

野球やサッカーのような団体競技選手は、給料非公開にしたらだいぶストレスが軽減されると思う。

公開しなきゃいけない理由ってなんだろ。


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