2016年1月21日木曜日

【読書感想】 萩尾望都『11人いる!』

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萩尾望都『11人いる!』

 (Wikipediaより)
「11人いる!」は、漫画雑誌『別冊少女コミック』1975年9月号から11月号に連載された[1]。1976年、第21回小学館漫画賞少年少女部門を受賞。
宇宙大学の入学試験最終テスト(最終日程の最後の科目)の会場“外部との接触を絶たれた宇宙船”を舞台に、宇宙のさまざまな国からやって来た11人の受験生が、疑心暗鬼のなかで反目しつつ、信頼関係を築き合いながら友情や恋を培い、非常事態を乗り越えようとするさまを描く。

名作だとの評判は耳にしていたが、大昔の少女漫画をいまさら読むのもなあ……。ってことで読んだことはなかったのだが、そのインパクトのあるタイトルはずっと頭に残っていた。
Kindleで売られているのを見て、ようやく買って読んだ。

いやあ、噂に違わぬ名作だった。
まず40年前の少女漫画なのに、ちっとも古びていない。
もちろん絵柄は古いしギャグのノリも見ちゃいられないんだけど、ストーリーは古びていない。
独創的な世界観、綿密な構成、スリリングな展開。さらにラストまで明かされない「11人目の存在の謎」がいいフックになっていて、最後まで飽きさせない。
男か女かわからないキャラクター、相次ぐ事故、なぜか宇宙船の内部に詳しすぎる人物といったミステリ要素にも丁寧に伏線が張られており、SFとしてだけでなくサスペンスとしても凝った造りになっている。

ほんと、これが40年前の少女コミック誌に掲載されていたということに軽い目眩を覚える。




この本には表題作のほかに、続編の『東の地平 西の永遠』と同じ世界観のコメディ『スペース ストリート』が収録されている。

『東の地平 西の永遠』は、宇宙を舞台にしたSFでありながら、宰相の陰謀によって戦争に向かう国の運命に翻弄される王様や敵国の姫たちの悲劇の物語……という感じで、『ロミオとジュリエット』や『ベルサイユのばら』のようなテイスト。
3つの星の争いを舞台にしている点をのぞけば、正直、少女漫画としてもさほど新しい展開ではない。
とはいえ、日蝕の描写に代表されるような細部の設定はさすが。
『11人いる!』に比べるとすこしものたりないが、これも十分秀作。


『スペース ストリート』は……。
昔のギャグなので今笑えないのはしょうがないのだけど……。
『11人いる!』のネタバレになるので詳しくは書かないが、主人公と○○のいちゃいちゃ恋愛をどういう感じで見ていいのかわからなかった。
ボーイズラブを見ているような気持ち悪さがあって(ぎりぎりネタバレじゃないよね)、ギャグ以前にそのへんがどうもね……。
おまけページだと思えばまあいっか。

そういや、今はどうだか知らないけど、少女漫画ってやたらとおまけページが充実してたよな。
スピンオフ漫画があったり作者の自分語りがあったり。あれなんなんでしょう。
作者の人物像も含めて楽しむのが少女漫画の読み方なのかな。


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