2015年10月31日土曜日

【思いつき】鼻からパスタ

映画『ドラえもん のび太の恐竜』でのび太が卵から育てたピー助(フタバスズキリュウ)は、
最近の研究では卵生ではなく胎生だとされていて、おまけに恐竜のカテゴリに入れられていないそうだ。

おいのび太ー!
約束通り鼻からスパゲティ食えよなー!

2015年10月30日金曜日

【ふまじめな考察】お盆とハロウィン

ハロウィンについて調べてみたら、こんな記述があった。
ケルト人の1年の終りは10月31日で、この夜は夏の終わりを意味し、冬の始まりでもあり、死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていた(Wikipedia)

てことはハロウィンってお盆みたいな行事なのか。
言われてみれば、ハロウィンとお盆って似たところがある。

ハロウィンでは子どもがお菓子をもらいにくる。
お盆では親戚が集まって子どもにお菓子が配られる(ことが多い)。

ハロウィンではカボチャでお面を作る。
お盆ではキュウリやナスで牛や馬を作る。

ハロウィンでは仮装して騒ぐ。
お盆では盆踊りをして騒ぐ。

きっと今の若い日本人たちが死後に帰ってくるのはお盆じゃなくてハロウィンなんだろうな。

2015年10月28日水曜日

【考察】成らなかったのは為さなかったから、ではない

「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も」
って言葉、あたりまえのことしか言ってなくてぜんぜん中身がないよね。

それでもこの言葉が廃れずに残ってるのは、五七五で語呂がいいから、ってだけの理由だと思うな。


2015年10月26日月曜日

【エッセイ】うちの娘は日本一(ばか)


2歳の娘が服を自分で着たら、前後逆。
「逆だからもう一回やろっか」と言って手を貸そうとすると、「いや!」と手に噛みついて暴れる。
「だったら好きにしなさい」とそのまま放置した。

前後逆のままお出かけして、
前後逆のままごはんを食べて、
前後逆のまま公園で遊んで、
前後逆のまま買い物に出かけたら、
疲れて寝てしまった。
まだお風呂にも入ってないのに。

結局、翌朝まで前後逆だった。


で、思ったんだけど、2015年にかぎっていえば、日本一長い時間、服を前後逆に着ていた人なんじゃない?

あなた、今年に入ってから、22時間続けて前後逆の服を着つづけていたことありますか?


2015年10月24日土曜日

【エッセイ】おニューをおろす日


タンスの引き出しを開ける。
今日はどの服を着ようか。
そのとき、引き出しのいちばん奥に潜んでいるタグ付きの長袖シャツと目が合う。
これを買ったのは10ヶ月前だったか。まだ一度も袖を通していない。

おお、ひさしぶり。
んー、今日はおまえの出番じゃないよ。
わかってる。わかってるとも。
大丈夫だって、おまえにはここいちばんってとこで活躍してもらうんだから。
だってほら、今日は柴田と飯を食いに行くだけなんだから。あいつのまえでおしゃれしたってしょうがないだろ。
だから、な。
そのうち、な。
そして手前のよれよれのシャツを手にして、そっと引き出しを閉める。

この10ヶ月、ずっとこのくりかえしだ。
新品のシャツをおろせない。
やがて季節が代わって長袖シャツを着る機会はなくなる。夏の間、新品シャツはタグも切られぬままタンスの奥でじっと出番を待ちつづける。
ふたたび季節はめぐり、半袖では肌寒さを感じるようになってきた。
だがあいつの出番はこない。
まだ「そのとき」じゃない。
今日は新品をおろすほどの日じゃない。

ふと思う。
「そのとき」なんて来るのだろうか。
新しいシャツをおろすのにふさわしい日って、いったいいつなんだろう。
たとえば新しい彼女との初デート。
うん、これは「そのとき」だ。
でも、既に結婚してしまっているぼくには初デートの日は二度と来ない(来たらまずい)。

ぼくが出かける用事といったら、山に登るか、草野球をするか、2歳児とお砂遊びをするか、柴田と飯を食いに行くかだけだ。
そのどれもが、服が汚れる危険性を大いにはらんでいる(柴田と食事をすると、たいてい話に夢中になってぼくか柴田かが飲み物をこぼす)。
服が汚れるイベントにおニューの服を着ていくわけにはいかない。

だから新品の服をおろす機会は永遠にこない。タグはずっとついたままだ。
タグをつけていたって、今さら返品なんかできるはずない。買ったのは10ヶ月前だし、レシートはとっくにないし、それどころかどの店で買ったかも忘れてしまった。
だけどなんとなくタグは切れない。
「あたしとうとう独身のまま35歳になったけどまだ男の前では下ネタを聞いてもわからないふりをするのよ」、そんな感じだ。
だって新品なんですもの。

このシャツに袖を通す日は永遠に来ないのか。
この先もミートソースの染み付きシャツでぼくは柴田と飯を食いに行くのか。永遠に。

そう思っていた。

だが。
ついに。
このシャツを着る日がやってきた。
タグを切る日がやってきた。

新品をおろす日、それが今日。
今日、ぼくは服を買いにいく。

服屋の店員はみんなおしゃれだ。
あいつらになめられないためには、それなりにこざっぱりした格好をしなければならない。
新品のシャツをおろすのに、こんなにふさわしい日があるだろうか。

今日ぼくはまあたらしいシャツで服を買いに行く。
きっと、買ってきた服はタンスの奥底にしまうだろう。
もちろんタグは切らずに。

2015年10月22日木曜日

【エッセイ】しょせんはキヨシ

のどが痛いのでドラッグストアへ。
のどの痛みを抑える薬を持ってレジに並んでいると、おじいちゃん店員に声をかけられた。
「うがい薬はありますか?」

急に声をかけられたのでびっくりして、言葉が出てこず無言で首をふった。

「うがい薬がないなら塩水でうがいするといいですよ」

セットでうがい薬を売りつけようとする営業トークかと思ったが、どうも親切心でアドバイスしてくれているようだ。
塩水など勧めても金にはならないもんな。

「塩水が苦手ならお茶でうがいするのもいいよ。お茶でうがいして、最後に飲みこむんです。私はお茶でやってます」

おじいちゃんの話は止まらない。

 「へえ。飲み込んじゃっていいんですか」

「そう。あとは四つ折りにしたタオルね」

 「タオル?」

「タオルを四つ折りにして、のどに巻くんです。こうやって寝るとのどが楽になります」

 「そうなんですか。じゃあやってみます」

とは言ったものの、しょせんここはマツモト○ヨシ。
調剤薬局で薬剤師さんに云われたらすなおにいいことを聞いたと思えるのに、マツモト○ヨシだといまいち信憑性に欠けるというかなんというか……。

所属や肩書きで人を判断するのはよくないんだけど、やっぱり疑わしいんだよなー。
アドバイスの内容も、医療従事者の指示ってよりも、おじいちゃんの知恵袋ってかんじだしな……。

2015年10月21日水曜日

【写真エッセイ】ダセえのはオレじゃない


これは負け惜しみで言うわけじゃないんスけど、
21世紀にもなってまだ木片でフタをしてるなんてすげえダセえと思うんスよね、オレ。

2015年10月20日火曜日

【読書感想】 みうらじゅん・宮藤官九郎 『どうして人はキスをしたくなるんだろう?』


「BOOK」データベースより
男と女、人生、趣味と仕事…くだらなすぎて今さら人に聞くのは恥ずかしい“素朴な疑問”に永遠の中2たちが真っ向から挑む!ロマンチックで下世話な哲学問答集。

『ゆるキャラ』の名付け親と『あまちゃん』の原作者の対談、と書かれている書評があったが、それはまちがってないけどまちがってるぞ!
 いや、たしかにそれはみうらじゅんと宮藤官九郎のことなんだが、その説明では彼らのことを1パーセントも言い表していない。1パーセントどころかマイナス50パーセントの説明だ。

 だって「ゆるキャラとあまちゃんの産みの親による対談」って云っちゃったら、老若男女が楽しめる話だと思われてしまう。まさかまさかチンポとクンニと親孝行の話ばかりだとは思わないだろう(ただの下ネタではなく親孝行の話も並ぶのがさすがみうらじゅんだ)。

 それにしても内容がない。いや、褒め言葉ね。
 酒の席の世迷い言にふさわしく、根拠もとりとめも正確さもない話ばかりがくりだされる。仮にも編集者がきちんとまとめて活字になったものを読んでいるわけだから、元の対談はほんとに支離滅裂だったにちがいない。
 読んでいるときは楽しいが、読み終えてみると見事に何も残らない。まさに酒の肴のような対談。
 気のおけない友人とだらだらくっちゃべるみたいなものなので、そういうのが好きでない(すなわち人生における無駄を愛せない)人からするとまったくおもしろくない本だろう。まあそういう人がこの本を手に取るとは思えないが。

 とまあ、何の役にも立たないすばらしい本なのだが、惜しむらくは宮藤官九郎のトークがやや弱いところ。
 いや、クドカンの話もそれだけ見ると十分おもしろいのだが、みうらじゅんと渡り合うほどの異常性は感じられないんだよなあ。
 みうらじゅんといえば、いとうせいこうだったり伊集院光だったりリリー・フランキーだったりと組んでクレイジーな対談をくりひろげてきたわけだけど、そういったタッグに比べると、クドカンは見劣りする。
 もう少し、演劇の話とかクドカン寄りの話題があってもよかったな。ほとんどエロバカ話で、みうらじゅんの十八番だからなあ。
 いつものみうらじゅんと聞き役、という感じでした。
 

2015年10月19日月曜日

【エッセイ】無駄を避けるという無駄


快速電車が停車しない駅に行くとき。
調べたところ、快速に乗って目的地のひとつ先の駅まで行き、そこから普通電車で引き返すのがいちばん早い行き方だとわかる。

いやだ。

行った路線を引き返すなんて、そんな無駄なことしたくない。
余計に時間がかかると知っていても、はじめから鈍行で行く。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ラーメンを食べたい。
店の前にふたりほど並んでいる。
10分ほど待てば店に入れそう。

でもいやだ。

何をするでもなくただ並ぶなんて、そんな無駄なことしたくない。
10分並ぶぐらいだったら、10分歩いて別の店に行く。
その分余計にカロリーを消費してしまうとしても、10分間を移動という有意義なことに使いたい。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「無駄なことが嫌いなあまり、無駄なことをしてしまう」
 この感覚、他人にしゃべっても理解してもらえないんだよな……。

2015年10月17日土曜日

【エッセイ】胃袋管理制度

 ゆとりっていうか。
 言われるまで動こうとしない指示待ちっていうか。
 まあ要するに無能なんだよね。

 あっ。
 最近の若者じゃなくて。
 ぼくの満腹中枢の話。

 いやー。
 前々からね、こいつ怪しいなとは思ってたんだよね。
 こいつ働いてないときあんなーって。
 どうもちょくちょくサボってるときあんなーって。
 それでもね。
 あの厳しい就職戦線を勝ち抜いてぼくの脳内に内定を決めたやつだからね。
 それなりにはね、仕事のできるやつだと思ってたよ。
 やるときはやるはずだ、と。
 ところがよ。
 最近じっくり観察してみたのね。
 人事考課の目になって。
 そしたらこいつ、ぜんぜん仕事してないのね。

 たとえばさ、朝めし抜くじゃん。
 昼めしもめんどくさいから食べないじゃん。
 それなのにね。
 うちの満腹中枢ときたら何の警告も発さないの。
 腹へったーとか、ぐぅーきゅるるるーとか、そういうの一切なし。
 一分前に玉音放送あった?
 ってぐらい、見事な沈黙を保ってんの。
 いやこれだめでしょ。
 飯食わないってのは生命の存続に関わる危機だからね。
 うるせえよ会議中に早鐘の如く腹鳴らしてるの誰だ!
って言われるぐらい自己主張してほしいわけ、こっちとしては。
 つまりぐーぐー腹鳴らしてかまわんよ、と。
 それなのにね。うちの満腹中枢ときたら。
 あれかな。引っ込み思案なのかな? ぼくに似て。
 まあねー。
 わからんでもないよ。
 ぼくも十数年前までは矢沢あい作品の主人公ばりに、強気に振る舞っていても実は傷つきやすい繊細なアタシだったからね。
 でもさあ。
 ぼくももう三十歳すぎてるわけ。もうおじさん。
 だからね。
 よしんば美しい女性の前で腹がぐーぐーいったとしてもね、
「はっはっはっ。腹の虫までもが美しいおなごに恋い焦がれて泣いとるわ!」
って云ってぽーんと腹を叩いてみせる、そんぐらいの図太さは身につけてきたつもり。
 だからね、満腹中枢がどんなに激しく主張してきたとしてもね、
寂しい夜はわけもなく泣きわめいたとしてもね、
そんなところも全部ひっくるめておまえの魅力だっていって、ありのままを受け止めるぐらいの覚悟がぼくにはある。
 ぜんぜんある。

 ほんとは引っ張っていってほしい。
 満腹中枢に。
 よっしゃ腹ヘってきたからそろそろメシにしようぜ! とか。
 どかんとカツ丼でもいこうぜ! とかって。
 常にリードしてくれて、でもあたしの希望を最優先してくれる人であってほしいー☆
 なんて世の中なめた女子大生みたいなセリフも口にしてみたい。
 やっぱ満腹中枢ってのは生命維持を司るポジションだからね。
 四番でキャッチャーで三年生で主将、ぐらいの安心感は漂わせててほしい。
 しまっていこー!
ってアルプススタンドまで届くぐらいのバリトンヴォイスで叫んでほしい。
 あるいはオリバー・カーンぐらいの絶対的守護神であってほしい。
 なのにうちの満腹中枢ときたら、デブだからキーパーやらされてますって程度の頼もしさしかない。
 へたしたらルールもよくわかってないままキーパーやってんじゃない? って思うことさえある。
 もうとっくに空腹のオフサイドライン超えちゃってるよーって。

 まあまあ。
 そうはいってもね。
 空腹のサインを出さないだけならぼくだってそんなに文句はたれませんよ。
 単に旧社会主義国の自動車製造ライン並みに安全基準が甘いだけなのかなーって思うだけ。
 ところがこいつ(満腹中枢)ときたら、空腹だけじゃなく満腹のサインも出さない。
 ノーサイン。ノールック。ノーアイコンタクト。
 だからぼくは食べだしたら止まらない。食べすぎる。
 満腹を感じないから許容量を超えて食べる。
 で、吐く。
 うちの実家で飼っている、元野良犬の雑種犬がまさにそんなかんじ。
 若き日のジャン・ヴァルジャンかよってぐらいにがっついてて、あればあっただけ食べる。
 で、食べすぎて吐く。
 で、吐いてまた食う。

 そんなんだからね。
 ちゃんと教えてほしいわけ。
 ほら、いるじゃん、ダムの水量管理員みたいな人が。
 ああいう作業着の公務員のおじさんがね、
日がな一日ぼくの横についてね、
ぼくの胃袋の内容量を管理して、
そろそろ腹へってるはずだから飯にしたらどうだとか、
これ以上食うと吐くぞとか。
 そういう指示を出してほしい。
 世代的に指示がないと動けない。

 それなのに小さな政府とかいって、どんどん公務員の削減が進められてるからね。ぼく専属の胃袋管理員制度の導入はどんどん遅くなるばかり。
 どうしたもんかね、これ。

2015年10月16日金曜日

【考察】パソコンを使えないおじさんのパラドックス

パソコンのパの字も知らない人が
「パソコンでできることなんてたかがしれてる」
と言う。
あるいは大学に行ったことのない人が
「大学なんて行ったって意味がない」
と公言したりする。

どうしてわからないものを低く評価するのだろう。

ぼくはプログラミングができないので、プログラマのことは尊敬している。
あんな謎の言語を操って意味のある命令をくだすことができるなんてすごい。
また、ぼくは宝塚音楽学校に通ったことがないが、そこへ通うことに意味がないとは思わない。ぼくが想像するよりもっと、いろんなことを学べるんだろう。


自分に理解できないものを、低く見積もるか、高く評価するか。
その差がどこからくるのか考えてみた。

子どもの頃。
テレビで芸人がしゃべっている。
周りの大人はどっと笑っている。でも自分にはそのおもしろさがちっともわからない。
子どもは「芸人がつまらない」とは思わない。原因は自分にあると思う。
「この人はおもしろいことを言ったのに、ぼくには理解できなかっただけだ」
と思う。

40年後。
芸人のギャグで、若者たちがどっと笑っている。けれど自分にはそのおもしろさがちっともわからない。
おじさんは「自分には理解できないが優れた点がある」とは思わない。原因は他者にあると思う。
「おれが理解できないということは、この芸人も、これで笑っている客も、レベルが低いのだ」
と思う。

子どもは理解できないものから学ぼうとする。
理解できないものを、わからないくせに低く見積もるようになったら、それが老いるということなのだろう。
老害と呼ばれている人はきまってそういう人だ。年齢を重ねていても、未知のものから学ぶ姿勢を忘れていない人は若い。
いつまでも学びつづけなければならない。

パソコンを使えないくせに、
「パソコンなんてたいしたことはできない」
と言うおじさんの神経は、ぼくには理解できない。

だが。
おじさんの気持ちが理解できないからといって、理解できないおじさんの気持ちを低く評価してはいけない。
わからないものは尊重せねば。

「わからないものを低く見る」ことをやめるためには、「わからないものを低く見る人」のことを尊重しなければならない。
というパラドックス。

2015年10月15日木曜日

【思いつき】読解力を鍛える算数の問題

太郎くんは、おかあさんから1000円を渡され、りんごを5個買ってきてほしいと頼まれたので、3km離れた八百屋さんまで分速100mで走っていきました。
太郎くんが出発した10分後に次郎くんも家を出ました。
八百屋には太郎くんのほかに2人のお客さんがいました。
八百屋のおじさん(48)に、りんごはあと4個しか残っていないと言われたので、太郎くんはそれをすべて買うことにしました。おわびだといって、八百屋のおじさんは本来1個150円のりんごを20%引きで売ってくれました。

さて。
太郎くんはりんごをいくつ買いましたか?

2015年10月14日水曜日

【ふまじめな考察】なぜバーテンダーはシャカシャカやりすぎるのか

この世の中でいちばんの欺瞞はバーにある。

バーテンダーのシェイク、あのシャカシャカシャカってやつ。
あたしカクテルのこととかぜんぜん知らないけど、あれぜったいウソ。

あそこまでやらなくてもいい。
エコじゃないし。

ラーメン屋の大将が湯切りするときみたいに、ちゃっちゃっちゃって3回ぐらい混ぜたら十分。
シャカシャカシャカって3回振って、もしちゃんと混ざってなかったらイヤだから念のためあと2回だけシャカシャカってやって、はいもうオッケー。

それ以上やるのは、もう完全にパフォーマンスでしかない。
どっかのバカな女が
「シャカシャカシャカ、かっこいー!」
って言い出して、
それ聞いたバカなバーテンダーが調子に乗って必要以上にシャカシャカシャカシャカシャカシャカやりだした。
それしか考えられない。

だってそういうのいっぱい見てきたもの。
好きな女の子が有名ミュージシャンをかっこいいって言ってるのを聞いて、必死こいてギター練習して、必要以上に練習してる間に好きな女の子に彼氏ができてるってパターン。
ギターがうまい男が好きなんじゃなくて、好きな男がギター上手ってだけだったことを思い知らされるパターン。

バーテンダーのシャカシャカも一緒。
かっこいいバーテンダーがシャカシャカやってるのがかっこいいってだけ。シャカシャカがかっこいいわけじゃない。
かっこいいバーテンダーだったら、米を研いでる姿もかっこいい。ぬか漬けを漬けてるところも渋くて絵になる。とんがりコーンを全部の指にはめてから食べる振るまいなんか優雅ですらある。

そういうことわかってない童貞バーテンダーが、うわべだけ真似してシャカシャカシャカシャカシャカシャカやりだした。
もうあれ、完全にいちばんかっこいい回数、通りすぎてる。
たぶん3シャカぐらいがベスト。
そのへんですぱっと終わらせれば、見ているほうも
「なに今のやつ!? 一瞬だったからよく見えなかったけどかっこよかった気がする! もっと見たい!」
って思う。
引き際が大事。わびさびの極致。

千利休がカクテル作るときは、シャカっと1回だけやって、あとはじっくり余韻を楽しむと思うな。

2015年10月13日火曜日

【写真エッセイ】乳製品地獄


 ふと気づいたのだが、我が家の冷蔵庫は乳製品ばかりだ。
 ヨーグルト2箱にチーズ6種、牛乳、飲むヨーグルト。
 この写真には写っていないが冷蔵庫のドアポケットには牛乳2本と練乳が常に立っているし、冷凍庫にはピザ用チーズとミルクアイスバーとピノが入っている。
 会社のデスクの引き出しを開けるとミルクキャンディーとミルクティーの粉末が出てくる。
 ついでにいうと、ぼくが愛用しているボディーソープはヤギのミルクからできている(ちょっと臭い)。

 ここまで乳を摂る人間は、アルプスの酪農家にも多くはいまい。
 クララも驚いて立ち上がるほどのミルク尽くしだ。

 ぼくはほらばかり吹いているので、生前妄言をはたらいた者が落ちる大叫喚地獄に行くことがすでに確約されている(もう招待状も届いている)
 だが乳製品ばかり口にしているぼくを釜茹でにしたら、地獄の大釜にラムスデン現象(牛乳を温めたときに表面に膜が張る、例のアレ)が起こることはまちがいあるまい。

2015年10月12日月曜日

【エッセイ】保育士のタスク処理

娘の保育園の運動会。
「会場の設営を手伝ってほしいので、おとうさんたちは早めに会場に来てください」
と案内があったので、朝8時に会場へ。

で、行ってみたのだが、やることがない。
ぼくだけでなく他のおとうさんたちも、所在なさそうに立ち尽くしている。
といって設営が終わっているわけではなく、保育士さんたちは忙しそうに走り回っていろんな仕事をしている。

なんでこんなことになっているのかぼくなりに考察してみた。
保育園の先生は小学校の先生とちがい、子どもに仕事をさせることがまずない。
あなたはこれをやって、あなたはこっちの仕事をして、とタスクを割りふっても園児には対応できないからだ。
だから保育士さんは、仕事を割りふることに慣れていない。

その結果、会場設営の指揮を執る人間がひとりもおらず、保育士さんだけがあっちへ行ったりこっちへ走ったりしている。
集まったおとうさんたちは、それぞれの職場ではちゃんと仕事をしている人たちなのだろうが、なにしろバイトばかりで責任者がひとりもいない店に突然放り込まれたようなものだから、何をすることもできない。
尋ねようにも、保育士さんたちはあっちこっちへ走り回っている。

運動会なのだからマイクもあるのに、誰も指示を出さぬまま、とうとう保育士だけで設営は完了し、休みの日に早起きして集まったおとうさんたちはあくびをするのであった。

2015年10月10日土曜日

【エッセイ】あなたの風邪はどこから? ぼくは娘から!

娘が風邪をひいたので看病していたらぼくにもうつった。

それにしても子どもの回復力ってすごい。
娘ときたら、40度近い熱を出していたくせに、2日ぐらいでけろっとして走り回っている。
一方、30歳オーバーのぼくときたら、1週間たってもまだ咳が止まらない。



 話はとつぜん変わるが、以前 友人から
「仕事を辞めるつもりなんだけど、たいしたスキルもないし、今からだと転職も厳しいと思う。おれでも転職できそうな会社に心当たりない?」
と相談を受けた。

 ぼくなりに八方手をつくし、いくつか知り合いにあたり、
「そういう人だったら面接してもいいよ」
といってくれる会社を見つけた。
 急いで友人に連絡をとると、
「ああ、あれね。いや、会社やめないことにしたよ。今の仕事けっこう好きだし」
とあっさりした返事。

 おい!
 ぼくがあれこれ考えて手をつくしているうちに、勝手に自己解決してんじゃねえよ!



と思ったものだけど、
ぼくがゴホゴホ咳きこんでいる横で 風邪をうつした張本人が元気に走り回る姿を見ていたら、そのときの気持ちを思い出した。

2015年10月9日金曜日

【考察】全小説家を代表してがっかりします

毎年毎年、村上春樹がノーベル賞の受賞逃したっていわれて、そろそろ「村上春樹」が秋の季語になりそう。

でも受賞を逃したのは、村上春樹だけじゃなく日本中の作家全員なんだけどな。

全員のカルマを一身に背負わされてかわいそう。
キリストみたい。


2015年10月8日木曜日

【エッセイ】犬と赤子に関しては勝手にさわってもよいものとする

 何が嫌いって、散歩中のよその犬を勝手にさわるおばちゃんほど嫌いなものはないね。

 今朝のこと。
 小型犬を連れた女の人が信号待ちをしてた。
 そこへやってきたおばちゃん。
 あたしだってダテに55年も生きてないから何でも知ってるわよ、知らないのは恥と遠慮だけ、って顔したおばちゃん。
 おばちゃん、小型犬に向かって
「あっららぁぁかぁわいぃワンちゃんねぇい」
って語りかけながら犬の頭に手を伸ばした。
 当然のように。
 もう、ほんと当たり前の顔をして。
 普通の女の人だったらさあ。自分のケツさわるときでももうちょい遠慮するぜ。
 ってぐらいの当然顔だった。

 あれ、なんなんだろうね。
 犬と赤子に関しては勝手にさわってもいいってルール。
 おばちゃんってすぐさわるでしょ。
 飛び上がってバスケのネットさわらずにはいられない小学生と一緒。
 いつ制定された?
 そのルール。
 その小動物にかぎりさわってもいいルール。
 歴史の授業中は寝てたからあんま知らないんだけど、ヴェルサイユ条約で決まったんだっけ?
 ハンムラビ法典? ヤルタ会談? ドラフト会議?
 かわいいかったら他人のものを勝手にさわっていいわけ?
 だったらおれだってさわっちゃうよ。
 おたくの18歳の娘さんかわいいですね、つって。
 かゆいところございませんか、つって。
 指紋つくぐらいべたべたさわっちゃうよ、もう。
 指紋つきすぎて鑑識のハマさん呼ばれるぐらいさわっちゃうよ、もう。
 嫌でしょ、ぜんぜん知らない人に自分の持ち物さわられんの。
 誰だよあんたうちの犬さわらないでよってなるでしょ。
 誰だよ鑑識のハマさんてってなるでしょ。

 そんなこと考えながらおばちゃんに気の向くまま風の吹くままさわられゆく犬を眺めてたらね。
 あるんだね、奇跡って。
 おばちゃんにさわられそうになった犬が。
 それまでおとなしく信号待ちをしていた小型犬が。
 突然狂ったように吠えはじめた。
 もうほんと恐ろしい勢いの咆哮だった。
 激怒。マジ激怒。
 火がついたように怒るって言葉があるけど、ほとんど出火してた。
 江戸の街だったら「安政の大火」とかって名前がついて文献に名前刻んじゃうぐらいの燃えさかりよう。

 すげえって思った。
 万物の創造主すげえって思った。
 神が犬をお造りになってから幾万年。
 すべては神の思し召しのままだとしたら、今日、まさに今ここで、小型犬が吠えるようにプログラミングしたわけでしょ。何万年も前に。
 完璧。
 タイミング完璧。
 神がかってる。ていうか神。創造主だから。
 そんでおばちゃんは逃走。
「あらあらあらあらごめんごめん」
って言いながら走って逃げた。
 人間としての尊厳なんて微塵もなかった。
 まあ無理もない。
 人生において、あんなに激しく誰かから怒られることなんかまずないもん。
 むかし引っ越しのバイトしてたときに、みんなででっかいピアノ持ちあげて運んでる最中に
「すみません、もう無理です!」
って叫んで手をピアノから離したやつがいて、
その後そいつはチームリーダーから叱られ死するんじゃねえのってぐらい叱られてたけど、そんとき以来。あんなに怒られてる人見るの。

 でも小型犬も存外しつこくて、おばちゃんが横断歩道の向かう側に渡ったあともずっとおばちゃんの方に向かって吠えてんの。
 もう事件性感じさせちゃうくらいの吠えっぷり。
 鑑識のハマさん再登場しちゃうんじゃねえのって思ったもん。
 さすがにもう許してやれよって思った。
 おまえまだ怒ってんのかよって。
 おまえいつまで目を血走らせてんの王蟲かよ早く腐海に帰れよって。
 もうおばちゃんだいぶ遠く行っちゃったぞ。
 犬の視力だとそろそろ見えなくなる距離だろうよ。
 ご自慢の嗅覚を頼りに怒ってんじゃないよと。
 ほんと、ずうっと怒ってる。
 ドラゴンボールだったら、悟空がフリーザまっぷたつにして地球に帰ってきたのにまだ怒りのスーパーサイヤ人になってるぐらい、怒りが長期政権化しちゃってる。
 ずっと怒ってると読者にそっぽ向かれちゃうよ。
「悟空いつまでスーパーサイヤ人化してんのマジウザインデスケド」とか掲示板に書かれちゃうよ。
 看板漫画だからってあぐらかいてたらすぐに打ち切られちゃうよ。
 ジャンプ編集部は容赦ないよ。

 ってメッセージを小型犬に向かってテレパシーで発信しつづけたんだけどね。
 ぜんぜん届かない。
 所詮、犬。
 所詮、小型犬。
 いつまでも鳴きやまないからだんだん腹立ってきてね。

 小動物にかぎり勝手に頭はたいてもいいってルールできねえかな、ホント。

2015年10月7日水曜日

【エッセイ】おひとりコンサート

娘のために『おかあさんといっしょコンサート ワンワンワンダーランド』に行こうと思いたった。
幼児でもひとりにつき1席を確保しなければならないらしい。

チケットを検索すると、まだ数席残っている。
おおよかったと買おうとすると、それらは隣接する席ではなく、おひとり席がいくつか点在するだけだった。
 
『おかあさんといっしょコンサート ~ワンワンワンダーランド~』にひとりで行く人がどれぐらいいるっていうんだよ!
チケットの売り方考えてよね!

2015年10月6日火曜日

【エッセイ】ノー残業代デー

会社にパートのデザイナーがいる。エムさん。
細かい依頼でも嫌がらずに受けてくれるし、仕事も早い。おまけに忙しいときには残業も引き受けてくれるので、上司からも評判がよかった。
「エムさんがいてくれて助かるわ」

ところがあるときから
「エムさん早く帰ってな」と追いだすように帰らせるようになった。
エムさんは相変わらずまじめに仕事をしているのに。

「最近エムさんが冷遇されてますけど、なにかあったんですか?」
と訊くと、「ここだけの話だけどな」と上司が教えてくれた。

エムさんはパートなので、残業したらその分だけ時給が発生する。
ところが正社員のデザイナーは残業代が出ない。
その結果、パートのエムさんの給料が、同じ仕事をしている正社員を上回ってしまったのだという。

「さすがにパートのほうが給料高かったらまずいだろ。だから残業させないようにした」
なるほどなと合点がいった……、いや待てよやっぱりなんかおかしいぞ。

2015年10月5日月曜日

【思いつき】文学作品の書き出しを混ぜてみる

親譲りの無鉄砲のメロスが激怒すると、そこは雪国であった。


2015年10月4日日曜日

【写真エッセイ】貼っとくだけダイエット


友人宅の冷蔵庫に貼ってあったメモ。

彼はダイエット中なので、体重と体脂肪の記録をつけているらしい。

21日……記録スタート。
22日……順調。
23日……計測を忘れる。
24日……2日ぶりに記録。
25日……記録なし。
26日……記録なし。
27日……記録なし。
28日……記録なし。

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2015年10月3日土曜日

【ふまじめな考察】プロングホーンとオークション

 プロングホーンという動物がいる。北米に生息する、シカみたいな生物だ。
 こいつは走るのがものすごく速い。
 地上でもっとも速く走るのはご存じの通りチーターだが、チーターは完全な短距離走者で、トップスピードは数秒しか維持できない。
 ところがプロングホーンはスタミナもあり、時速60km近いスピードで5分以上も走りつづけることができるのだ。おまけに最速で90km近く出せる。

 すごい。
 なにがすごいって、こいつらは無駄に速いってことだ。もう完全に無駄。
 ふつう動物が走るのは、獲物を追うときか、捕食者から逃げるときだ。ところがプロングホーンは草食だし、北米にはそんなに速く走る肉食動物はいないのだ。
 北米にはコヨーテが生息しているが、こいつらの最速は65kmくらいだ。おまけにスタミナはない。
 プロングホーンが90kmも出さなくても悠々逃げきれてしまう。完全に駿足の持ち腐れ。
 オークションで、7万円で落札できる商品に9万円も払っちゃってるのだ。もったいない。

 ところでプロングホーンよ、最近、歳のせいか小走りするだけですぐ息切れするようになってきたぼくに、余分に持っている20km/h走る力をぼくにわけてくれないか。
 あとできたらオークションで余った2万円も。


2015年10月2日金曜日

【写真エッセイ】「エンジン バッテリー 違い」で検索


 友人たちと車で出かけていると、車のエンジンがかからなくなった。
 みんなで車を押してみたが、スンともいわない。
 戦争が起こったら自分は真っ先に死ぬだろうなと思うのはこんなときだ。

 ある友人はいろいろ触ってどうやらバッテリーに問題がありそうだと突き止めた。
 別の友人はスマホで解決策を検索した。
 またある友人は別の車と故障車をケーブルでつないで、バッテリーを蓄電(?)していた。
 みんなが力を合わせたおかげで故障した車は息を吹き返し、再びエンジン音を響かせた。
 その間ぼくが何をしていたかというと、みんなが車を直そうと奮闘している姿を「みんながんばっとるねぇ」と言いながらムービーで撮影していただけだ。
 いちばん迷惑なタイプの人間だ。
 非常時にまったく役に立たない、いやそれどころかただ目障りなだけのタイプだ。

 だが臆面もなく言い訳をさせてもらうと、なにしろぼくはエンジンとバッテリーの違いもよくわかっていない。故障車を直せるはずがない。
 こんな人間が免許を所有していて公道で車を走らせているわけだから、つくづく物騒な世の中になったものだ。まったくもって嘆かわしい。

 今年で58歳のぼくの母親は
「わたしが使うと壊してしまいそうで怖いから」
という理由で、パソコンに指一本触れようとしない。
 HDDレコーダーの予約録画もできないから
「ビデオの録画やっといて。これ」
と云って観たい番組を赤丸で囲った新聞のテレビ欄をぼくに渡してくる。
 ぼくの自動車工学のレベルは彼女のそれと変わらない。
 とうとうクラッチが何のためにあるのかよくわからないままMT免許を取得してしまったくらいなのだ(左足を退屈させないためだと自分のなかでは解釈している)。
 非常時に役に立たないタイプの人間だから(ひょっとすると平常時も、かも)戦争に巻き込まれたら、敵と戦うどころか味方の手で殺されてしまうかもしれない。

 こういうわけでぼくは憲法九条改変に反対するのだが、どうも最近の日本の政治家はエンジンとバッテリーの違いがわからない人のためを思って政治をしてくれないのだから、まったくもって嘆かわしいことだ。